地に足つけて

波長の合いそうなブログを見つけたら、"そっと"購読させていただきますね(^_-)。グループを見るようにしています。2020-1-27

斎藤孝さんの『理想の国語教科書』から

理想の国語教科書

理想の国語教科書

 

この本を何度も読みました。以下はすべて同書からです。

「たとえば、道ばたに唾を吐くことは、それがマナーに反することだとされているからしないというのではなく、自分の生の美意識に反するからしないというときに、真の倫理となる」(『理想の国語教科書』斎藤孝)

 

「作家の古井由吉先生と対談した折、書いているとき日本語の感覚がおかしいと感じられたときに、調子を取り戻すためのトレーニングメニューのような作家はいますかと質問したところ、「それはさすがに漱石ですね」という答えをいただいた」(「文學界」2002年3月号より斉藤孝談)

 

「近代的自我というものを、現代日本人はかならずしも形成できていない。ゲーテたちの著作を読むことで、近代的自我のモデルを自分の中につくっていく必要が一度はある」

 

「ゲーテの最高傑作は、『ファウスト』である。『ファウスト』の中には、人間についての英知が箴言(シンゲン) の形でちりばめられている。自分好みの格言を見つけようとすれば、いくらでも見つかるだろう」

(『理想の国語教科書』斎藤孝)

ゲーテ(1749-1832)ドイツの文豪。

 

「神々と人間が入り交じった神話は、生きるヒントの宝庫だ」
「ギリシア・ローマ神話の神々たちは、人間の思い上がりを許さない。自分たち神々は、かなりわがままで勝手なことをするが、人間が神々のように振る舞うことは許さない」
(『理想の国語教科書』斎藤孝)

 

「小林秀雄はこう言っている。「彼は、作曲上でも訓練と模倣とを教養の根幹とする演奏家で あった。」モーツァルトは、「まねる盗む力」の天才であった。無から創作が生まれるとは信ぜず、幼い頃から模倣を数多くこなし、反復練習を通してそれを身体に技化してきたからこそ、自由にヴァリエーション豊かな演奏と作曲ができたのだ」

(『理想の国語教科書』斎藤孝)

 

「どうして、私のすることが凡てモオツァルトらしい形式や手法に従い、他人の手法に従わぬかという事は、私の鼻がどうしてこんなに大きく前に曲って突き出しているか、そして、それがまさしくモオツァルト風で他人風ではないか、というのと同断でしょう。私は別に他人と異なった事をやろうと考えているわけではないのですから」(小林秀雄『モオツァルト』)